2014年9月8日月曜日

最後に『色は匂へど、』という作品について

「ここには空洞があるだけだ。」

いろんな人間たちが混在している様子が見たかった。
想像し得る範囲を超えることができれば、今よりも世界が鮮明に見える気がする。
それは知らない土地を旅するのに似ている。

「動き回ってください。旅をすること。しばらくのあいだ、よその国に住むこと。けっして旅することをやめないこと。もしはるか遠くまで行くことができないなら、その場合は、自分自身を脱却できる場所により深く入り込んでいくこと。」-スーザン・ソンタグ

自分自身を脱却してしまうと、そこはただの空洞になる。

「迷子迷子、人生迷子!」

帰る場所を失った虚しさと、一切を洗い流した清々しさが同時にやってくる。

悲観しているのか楽観しているのか、よく分からない。

「方舟に乗ることが出来るのは全うな人間だけですと、神様は言った。」

何だか笑いがこみ上げて来る。

思い悩んでいた色々を急に手放す。そういう処世術。

「嘘で作られた世界、だからこそ、よいのだと思う。思います。」

個性的で魅力的な俳優さんたちが作り出す劇世界が、
あんまり素晴らしいと全然泣けるシーンじゃないのに泣きたくなることあるよなあ。

そんな私はいま、とても東京ディズニーランドに行きたい。
いや、シーのがいいかも。
なぜなら酒が飲めるから。


そしたらまた、呑んだ分だけ語りまくる。

2014年9月7日日曜日

『色は匂へど、』引用文献

古典落語『品川心中』
古典落語『目黒のさんま』

旧約聖書『創世記』第6〜9章(ノアの方舟)
新約聖書『ルカによる福音書』第15章(放蕩息子の帰還)
浄土真宗 蓮如『御文』5帖目第16通(白骨)
小田創 著『品川夢幻』
山本周五郎 著『なんの花か薫る』
寺山修司 著『百年の孤独』

2014年9月4日木曜日

閉幕。ご挨拶。

モメラス第一回公演『色は匂へど、』無事終了いたしました。

ご来場いただいたお客様、スタッフの方々、キャストのみんな、そして陰で支えてくださった北品川本通り商店会の皆様、どうもありがとうございました。

フリースペース楽間の最後を飾ることが出来て光栄でした。

明日から、日常生活に戻ります。
浅き夢見じ、酔ひもせず。

モメラス次回公演はきっと来年の夏とか秋。

みなさん、また会う日までお元気で!



2014年8月31日日曜日

明日は楽日。

気づけばもう、明日は楽日だ。
今回、いろんな方々に観に来ていただけていて、びっくりしている。
なんだか絶望的なことしか言ってない作品なんだけど、
みんな楽しかったと言ってくれるので嬉しい。

2014年8月27日水曜日

出演者について、その11:山縣太一

山縣太一

やまがたたいちさん。
チェルフィッチュで活躍されています。

危うい魅力を放つ、とてもストイックな役者さんです。
尊敬しています。

今回、まさか出演してくれると思ってなかったので驚きました。
今も彼がどう思って出演しているのか、よく分かりません。
聞くの怖いので公演終了したら聞いてみようと思います。

アキラという役を演じてもらいます。
この役にはモデルがいて、こだわりがかなりあったのですが、
意外とすんなりイメージ通りに演じてくれました。


2014年8月26日火曜日

出演者について、その10:森永理科

森永理科

声優のもりながりかさんです。
月蝕歌劇団で長く活躍されていました。
小柄で細身なので少女のようなシルエットです。

舞台上で踊っている姿や一つ一つの所作がとても華麗で
つい見入ってしまいます。
そうそう、月蝕歌劇団に初めて出演させていただいたとき、
とても分かりやすく丁寧にダンスを教えていただきました。
みんなのお姉さんです。
私たくさんお世話されています。
今現在もお世話されっぱなしでございます。

落ち目の遊女・お染を演じていただきますが、
今までのキャラクターと随分イメージ違う役なので最初少し心配していました。
しかし、いやはや、凄いです。
薹が立った気の強いお染を、貫禄たっぷりに演じているのです。
今回、一番役を作り込んでくれています。
見ないと損です。


2014年8月25日月曜日

出演者について、その9:髙橋優太

髙橋優太

たかはしゆうたさん。
演劇実験室◎万有引力の劇団員さんです。

凄まじいジャンプ力を持っており、
キレキレの動きで舞台上を掻き回してくれます。
見事な身体能力。

猫背と鼻にかかった声が何とも味わい深い、
とても個性的な役者さん。
人望の厚い方で、男性も女性もみんな彼のことを大好きになります。
モテモテの人たらし。

よく酔っ払ってヨダレを垂らしています。
そんな姿が今回、品川心中の金ちゃん役にピッタリだったので
熱烈なオファーをかけました。

結構ハマリ役だと思うのですが、どうでしょう。





2014年8月24日日曜日

出演者について、その8:笹野鈴々音

笹野鈴々音


ささのりりねさんです。
愛称はリリー。
舞台・TVドラマ・映画など幅広く活躍中。
鉄腕アトムと同じ身長138cmの、超ミニマム女優。
体は小さいけれど迫力のある存在感です。

彼女は数少ない中学時代からの演劇仲間。
親友、なんじゃないでしょうか、きっと。
まさか、私が作演出する作品に出演してもらう日が来るだなんて。
とても感慨深いです。

彼女が舞台に現れるだけで、ウキウキします。
これはもう、どう考えても面白い展開になるな、と思わせてくれます。
そういう力強さを感じる女優さんです。
なんて頼りがいがあるんだろう!と思いながら台本執筆したら、
ほぼ全シーンに出演することになってしまいました。

ごめんリリー、楽屋でも舞台上でも大忙し…!



2014年8月23日土曜日

人生迷子

いま大井町にいる。
大井どんたく祭りに一人で来ている。
ありえない人混みの中で感じるえげつない虚しさといったらもう。
小麦色の肌をした少女に瓶のラムネをぶちまけられた。
夏らしくていいと思う。

早足で歩いてたら子供と犬をうっかり蹴り飛ばしそうになった。
苛々しているわけじゃない。ただ焦っている。
小道具に使うつもりだった必要な物が手に入らなかった。

大抵そうだ。本当に欲しい物や必要な物は手に入らない。
何だかそういう人生だ。
でもそれは付けが回ってきただけだから仕方がない。
残りの人生で始末をつけなければいけない。

ああ、人生とか言いだしちゃったから、
たぶんやっぱり今、苛々している。

優しさで出演者のひとたちがたまに覗いてくれるけど、
まあ、ほぼほぼ誰も見ないブログを更新するのもあと一週間でおしまい。

盆踊りの音が止んだから家に帰る。

2014年8月22日金曜日

一期は夢よ ただ狂へ

ラストシーンを書き上げ、稽古した。
暗い作品にはしたくない。
上演時間はおそらく100分ちょい。

まだ本番が始まってもいないのに、この座組ともあと一周間足らずでお別れと思うと、
急に寂しくなりあまり眠れない。

「何せうぞ くすんで 一期は夢よ ただ狂へ」
思い出深い、室町時代の歌謡集『閑吟集』の一説。

演劇やってます、というのが昔から恥ずかしくて仕方がなかった。
しかも歳を重ねるにつれて恥ずかしさが増していく。
親にあんなに反対されてたんだから言う通りやめておけば良かった。
OLにでもなれば良かった。
なんでこんな何の足しにもならないことしてるんだろう。
という気持ちがすぐに溢れてくる。

バイトがいつクビになってもおかしくない状態です。
借金のことを考えるのは今はやめます。
腰が爆発寸前です。

もうすぐ小屋入り。

写真は男性キャスト。
左から桑山こたろう・髙橋優太・宮崎晋太郎・山縣太一。
個性的ラインナップ。
ヒゲ濃いめ。


2014年8月21日木曜日

通し稽古

通し稽古。しかしまだ台本完成してない。
今日と明日にかかっている。

未熟な作・演出のわりには、完成度の高い作品になる気がしている。
それは俳優の力がとても大きい。
出演する俳優たちが私を演出家にしてくれているんだと思う。

この公演が成功するのかどうか、一体なにをもって成功とするのか、
本番が終わってみないと分からないけど、
この作品で自分の中の何かが一区切りする感じある。

写真は出演者の髙橋優太さんと桑山こたろう君。
いい顔ー。


2014年8月18日月曜日

出演者について、その7:落合美香

落合美香

おちあいみかさん。
月蝕歌劇団で長く活躍されてました。
エネルギッシュな色気を持った魅力的な方です。
フェロモンが凄いです。
おっぱいも素晴らしいです。
今回の芝居でもゴージャスな谷間をさりげなく披露してくれます。
観に来てください。
なにこの下品な宣伝。

明るくてふわふわした優しい女性なのですが、
ゴリゴリに凶暴な部分もあったりして、
や、や、や、すごい、こんな人には初めて出会った。

よく通る綺麗な声の持ち主で、演技もとても目を引きます。
今回は、元気な遊女・お七を演じてもらいます。



2014年8月17日日曜日

出演者について、その6:安藤真理

安藤真理

あんどうまり姐さんです。
チェルフィッチュで活躍しております。
見た目はとっても素朴で柔らかいのですが、
なかなか尖ったシビアな人です。
口数少ないですがさすが姐さん、存在感があります。
チェルフィッチュで共演したときはあまり気づかなかったけど、
結構、芯のある頑固な女優さんです。
粋ですがたまに面倒くさいです。

和服がとても似合うので江戸時代の人物にしたかったのですが、
キャスティングの都合上、現代のひとに。
しかし、ぴったりな役になりました。

江戸めいた安藤真理は、またいつか。



2014年8月16日土曜日

出演者について、その5:宮崎晋太郎

宮崎 晋太郎

みやざきしんたろうさんです。
みやしんって呼んでます。
遊園地再生事業団や五反田団などに出演してます。

なんだか戦友みたいな関係ですが、
今まで共演したり現場を共にしたことありませんでした。
妙に価値観が合います。なぜだ、同い年だからか。
そして酒好きで美味しい居酒屋に詳しい。
私が禁酒をやめたら、ぐいぐい飲むぞ。

今回はとっても掴み所のなくて難しい、だけどとても重要な役をやってもらいます。


2014年8月11日月曜日

ふがいない

約束が守れなかったり、一度決めたのに貫けなかったり、
ふがいないことばかりしている。
本番まであまり時間がない。
出演者のひとたちがとてもしっかりしていて心強い分、
何だか情けなさも倍増、な夜。

なんだか体力が追いつかない。
精神力の問題かもしれない。
たぶん両方。

2014年8月3日日曜日

出演者にについて、その4:若松真夢

若松 真夢


わかまつまむ と読みます。
月蝕歌劇団や虚飾集団廻天百眼などで活躍中。
美大出身の彼女は今回、広告も担当してくれています。
色白で笑顔がとっても可愛らしい、おっとりとした雰囲気の女の子。
よくフワフワした白い服を身にまとっており何だか天使のように見えます。
稽古場の隅っこにいることの多い、控えめで目立たないタイプですが
舞台に立つととても華があります。
普段は口数が少ないけれど、喋るとすっごい面白い話をしてくれます。
魅力的な人柄。
今回は新米の遊女・美花を演じてくれます。



2014年8月2日土曜日

稽古風景

後ろで携帯見てる二人はダラけているのではありません。台本を読んでいます。最近は稽古中に役者の携帯にセリフを送りつけています。中央の髙橋優太・森永理科は、今回『品川心中』の金ちゃんとお染を。


チェルフィッチュ山縣太一と安藤真理、元月蝕歌劇団・森永理科、万有引力・髙橋優太。異色の組み合わせ。




2014年8月1日金曜日

家電以上に分かり合えない

「共有のできなさ」がものすごい。
こんなにお互い分かり合えないメンバーなかなかないと思う。
悪い意味で言ってるわけじゃないけど、
いい意味で言ってるわけでもない。
外国人同士くらいの距離感がある。
面白く出来るだろうか。
魅力を殺し合うようなことには、どうかなりませんように。

2014年7月30日水曜日

俳優の領域

昨日はあまりいい稽古にならなかった。

台本が全然進んでない。
そろそろ、バラバラのものをまとめ始めないといけない。

演劇は役者のものだとつくづく思う。
本番に入ったら私は手出しが出来ない。
全部彼らに委ねないといけない。

2014年7月28日月曜日

禁酒している

常にクリアな頭で向かわないと台本なんて書ける気がしない。
ということで禁酒した。
まだ三日目くらい。

ノンアルコールビールが美味しく感じた。
風邪気味で味覚が狂っているせいもあるかもしれない。

2014年7月27日日曜日

夜を明けて途切れ途切れ

ぼんやりとしたまま朝が来たりする。
明け方、カーテンの外が青い。
生き急ぎたい気持ちになる。

時間が有り余っているのか、
いくらあっても足りないのか、よく分からない。
ニュースが日々更新されていくのを丁寧になぞることが出来ない。
時間は止まったり急に速く動きだしたりする。

日中、銀製のフォークやスプーンが陶器皿とぶつかり合う音がやかましい。
生活音というものはこんなにうるさいものなのか。
神経質に眉間に皺を寄せてみてもいいけど、すんなり受け入れる方が幾分かは楽だ。


多くの助言には大抵聞き飽きてしまっていて、上手に受け入れることができない。
集中するには静寂が必要不可欠だから少し黙っていて欲しい。

2014年7月26日土曜日

すぐ忘れる

言ったことすぐ忘れる。
結果的に嘘になることがあるからもう黙っていたい。

そういう訳にもいかないので、
ごまかすために逆に饒舌になったりする。

2014年7月23日水曜日

2014年7月18日金曜日

騎馬を組んだ

この写真、男性キャストに騎馬を組まれ、
女性キャストにパシャパシャ写真を撮られ、
大変良い気分の状態です。ちやほや。
『色は匂へど、』稽古再開し、出演者の皆にお誕生日祝いをしてもらったのでした。
フルーツタルトのケーキとコスメのプレゼントいただきました。
女子力をあげてくださいとのことでした。
ガサガサの唇を潤します。
皆さん、ありがとうございました。
ああ、とっても嬉しい。

2014年7月15日火曜日

4時48分

月蝕歌劇団で出会った女優陣とサラ・ケイン『4.48 サイコシス』をやるのが夢。
廃墟とかで。
それか真っ白いギャラリーでもいい。

戯曲は実家に置いてある。
捨ててなければ。

この作品、稽古してるうちに演出家も俳優も全員病んじゃいそうで面白い。

そういえばなんとなく書いた文章が夜明け頃をイメージしていることが多く、
無意識にこの作品に大きく影響を受けているような気がする。

4時から5時にかけてが、一日の中でいちばん静寂を感じる時間帯。

2014年7月14日月曜日

『8-エイト-』7月公演終わりました

朗読劇「8-エイト-」公演無事終了いたしました。満員御礼ありがたや。

そして私はついに今日、30歳になりました!
三十路突入!

本番前、7月生まれ三人組のお誕生日祝いをしてもらいました。嬉しいなあ。

この座組は役者・スタッフみんな魅力的な人ばかりでとても刺激されました。
秋のフェスティバルトーキョーもこのメンバーで参加できると思うととても楽しみ。



2014年7月10日木曜日

朗読劇『8-エイト-』

出演いたします舞台がいよいよ、金曜から本番です。

カリフォルニアを舞台に、同性婚の可否をめぐる裁判を描いた朗読劇。
「現実というのは、フィクションが積み重なって、いつの間にか既成事実になって出来ているのでは」という演出の西尾さんの言葉が印象的。

クールでシニカルな感じでもあり、あったかく懐深い感じでもあり、ユニークな演出なのです。

完売の回もあったようですが増席しましたー。予約再開しております。でも残り僅かですのでぜひお早めに!


http://tokyo-lgff.org/2014/about/8intokyo

2014年7月2日水曜日

お知らせ。『色は匂へど、』チケット発売に関して。

『色は匂へど、』の公演に関する問い合わせをいくつかいただいておりますが、
公演日時及びチケット発売日はまだ未定です。
6月中旬に予約受付開始の予定でしたが諸事情により遅れております。
申し訳ありません。

詳細決定次第、モメラスHP・ブログでお知らせさせていただきますので
何卒よろしくお願い致します。

2014年6月29日日曜日

聖書、宗教観

私は宗教観の不一致で揉め事の絶えない環境で育ったからか、
最近まで宗教アレルギーのようなものがあって信仰に関する問題をずっと避けてきたけれど、
初詣に行ったりお神輿を担ぐことに後ろめたさを感じなくていい
と自信を持って思えるようになった今は少しずつ宗教について興味が湧いてきている。

最近の稽古では聖書を読んでもらったりしている。
聖書って同じこと何回も言うから、退屈だわさすが説教くせーなー
とか思ってたけど、人間関係がまっすぐ描かれていて面白い。

2014年6月24日火曜日

父親のことを考えている

今回、活版印刷所を舞台に台本を書くことになって、
最近父親のことを考えている。

私の父は写真の専門学校を卒業した後、定年まで印刷会社で勤めた。
20年くらい前まで印刷は写真植字(写真の原理を用いた印字方法)が主流で、父はその技術者だった。
毎日残業で帰りが遅く、よく赤いセロハンの破片を顔や腕にくっつけていた。
90年代半ば、写植からDTP印刷が中心になると父の帰宅は早くなった。
繊細な技術が必要だった組版(くみはん:印刷の一工程。紙面を構成する作業。レイアウト。)
は全てパソコン上で出来るようになった。
しかも手作業より速いし正確。
だから自分はもう用なしなんだと父は嘆いていた。
私は幼いながらも世の中って世知辛いわーとしみじみ思ったのだった。

2014年6月23日月曜日

出演者について、その3:桑山 こたろう

桑山 こたろう


彼は人懐っこそうな目がとても魅力的な好青年。
ゴールデン街のバーで働いており、ちょくちょく遊びに行っています。
話し上手なうえ聞き上手なので女性客のファンが多そうです。
男性に対して偏見の強い私なので、この男、何か裏があるんじゃねえのか。
と警戒していましたが、特に腹黒い面は見つかりませんでした。
稽古場の雰囲気を、さり気なく和やかにしてくれる隠れムードメーカーです。
最初、チャラチャラした三枚目を演じてもらう予定だったのですが、
舞台の立ち姿が何とも爽やかだったので、お侍役・吉之助に変更致しました。二枚目です。


2014年6月19日木曜日

出演者について、その2:井神沙恵

井神 沙恵


今日ご紹介するのは、いがみ さえちゃん。
役者をやる前はずっとソウルやロックを歌っていたそう。
昨年、浅草のバーでライブがあり素敵なハスキーボイスを披露していました。
下がり眉毛がアンニュイです。山口百恵的な色気が漂っています。
黒いドレスよく似合う。酒と煙草もよく似合う。
知的でクールな印象ですが、お話しするとぽやぽやした可愛らしい一面も。

彼女は昨年の短編版『色は匂へど、』にも出演してくれました。
引き続き出演するのは1人だけなので何かと頼りにしてしまいます。
何故だか私は、彼女に自分を投影した役を与えがち。
特に似てないんですけどね。まあ好きなんでしょうね。
今回は印刷屋の次女・カエデを演じてもらう予定。


2014年6月17日火曜日

山縣太一の登場

今日は待ちに待った、太一先輩、稽古場に初参加の日。
静岡在住のため終電21時。
太一オンパレードで稽古を進める。
写真は喋りっぱなしの山縣太一と聞きっぱなしの井神沙恵。
この組み合わせは実に新鮮だけど、結構なじむ。


今回の核になるかもしれない新約聖書の一部分をみんなに朗読してもらったり、
安藤真理氏が散々嫌がっていたエチュードにやる気を見せたりと、
今日もまた、とても実りある稽古となった。

見失いそうなときは誰かを頼りにすることにしよう。
他力本願。


2014年6月16日月曜日

出演者について、その1:柴 奏花

今日からちょこちょこ『色は匂へど、』の出演者を紹介していきます。

柴 奏花


しば・かなかと読みます。芸名みたいなネーミングですが本名です。
妖艶な雰囲気でとても最年少には見えません。
月蝕歌劇団によく出演されています。
稽古で金原ひとみの小説を朗読してもらったら
本人が書いたんじゃないかというぐらいハマっていたので、
それ以来もうひとみにしか見えません。
ほっそりスレンダーでか弱そうだけれど、なんとも切れ味抜群の語り口。
ファッションもキレキレのシティーガールです。
エキセントリックな印象ですが、中身は意外と普通な女の子。ギャップ萌え。
今回は人気急上昇の遊女・久乃などを演じてもらう予定。



2014年6月13日金曜日

大体が恥ずかしい

山下敦弘監督「マイ・バック・ページ」、園子温監督「希望の国」を鑑賞。
はあ、プロの仕事。それも上質な。
でもなぜだか最近はあまり集中して映画を観ることができない。

何か創作をする時、誰に向けての作品なのかを明確にするのは大事なことと感じている。
具体的に誰かを思い描いていると作品が正しく成長する。気がする。
気がするだけか。
分からない。

とにかく今、煮詰まっている。
稽古場の雰囲気はすこぶる良い。
良質な作品が生まれる準備はもう整っている。
俳優に刺激を十分もらったからあとは台本を書くだけだ。
でもちっとも進まなくてついに稽古を減らした。

何となく今、自分自身が本質から遠ざかっている気がする。
楽しければいいんだけど、それだけだとこうやって停滞してしまう。
大衆なんてどこにもいないのに、私は一体誰に媚びているのか。

あと、自分の中の、こう、ボロっと出てくるグロテスクな部分に辟易していて、
それを表に出すのは恥ずべきことのような気がしている。

泥臭い俳優ばかり集めておいて何を今さら、てふと思ったけど。
たぶん先日、排泄行為のような稚拙な演劇作品を観たのが影響しているだけだ。
慎みを忘れず、酔いもせず、偽らないでいたいもんだ。

たぶんこの記事は、後々恥ずかしくなるやつだ。
「慎みを忘れず、酔いもせず、偽らないでいたい」の部分が特に恥ずかしい。
まあいい。
そもそも、誰も待ってないブログをせっせと更新すること自体、
私にとっては超絶恥ずかしいことだ。

明日ぐらいから、一人ずつ役者紹介していくことにする。
それだけで11日分の記事になる。

2014年6月12日木曜日

俳優たちに朗読してもらう。

昨日の稽古では役者陣に朗読をしてもらった。
統一感のない本のチョイスに我ながら感心。


・夏目漱石「坊っちゃん」→髙橋優太
・江國香織「カエルの王様ーあるいは鉄のハインリヒ グリム童話」→若松真夢、髙橋優太
・宮沢章夫「サーチエンジン・システムクラッシュ」→桑山こたろう、落合美香
・夏石鈴子「バイブを買いに」→落合美香
・金原ひとみ「憂鬱たち」→柴奏花


「坊っちゃん」・・・無鉄砲で血気盛んな主人公が、個人的にとても好き。冒頭部分などを優太さんに読んでもらう。意外と違和感なく独特な声にもマッチ。彼には「品川心中」の金ちゃん役を演じてもらう。金造は粋な江戸っ子にしたい。また読んでもらおう。

「カエルの王様」・・・お姫様とカエルの出会いを真夢ちゃんと優太さんに読んでもらう。真夢ちゃんはお姫様がよく似合う。これはもう上演できるし、いつかしたい。

「サーチエンジン・システムクラッシュ」・・・主人公が妻に生と死の概念について語るシーンを、こたろう君と美香さんに読んでもらう。一番時間をかけて念入りにやった。見つめ合うと緊張感が生まれ、相槌を入れるのが難しい。俳優にとっては神経を使う繊細な作業。

「バイブを買いに」・・・性についての赤裸々な経験や恋心を語る部分を、美香さんに読んでもらう。彼女自身の作文を読んでるのではと錯覚するほどよく馴染んでいた。おちんちんという言葉を連発していたが何故か全く卑猥に聞こえない。彼女には、侍と恋に落ちる遊女の役を演じてもらう。

「憂鬱たち」・・・神経症気味の女が電車で居合わせたバカップルの会話に苛立つシーンを、柴奏花ちゃんに読んでもらう。これもまた、本人の日記読んでんじゃないのかっていうハマり具合。舞台上での彼女らしさを開拓してくれた気がした。朗読稽古やってよかった。これからも継続的にやることにする。



2014年6月9日月曜日

太一先輩

まだ稽古場には登場していない出演者に電話をかけた。
山縣太一だ。
特に用はなかった。

初日稽古の緊張感が凄まじかったこと。
役者陣の雰囲気が良いこと。
2チームに分けて稽古しているが、
片チームの台本が全く手付かずで進まないこと。
参考にしようと思っている映画があること。
もしかしたら出演者を増やすかもしれないこと。
などを喋りまくった。
現状報告。

7〜8分ぐらいの無言劇だったらやれるよ。
と言っていた。
なんだそれは。
心強いような心細いような。



2014年6月7日土曜日

愛についてのキンゼイ・レポート

『愛についてのキンゼイ・レポート』という映画を観ている。
人間の性行動に関するレポート「キンゼイ報告」を著した、
アメリカの性科学者・昆虫学者であるアルフレッド・キンゼイの半生を描いている。
性愛について、なんやかやと。

面白いのだけど、家でDVDを観ると眠気に勝てない。
中断して眠ることにする。

2014年6月6日金曜日

梅雨入り。出不精。

今日は稽古が休み。
昼頃のそのそ起きだして、ご飯を炊きお味噌汁を作った。
2ヶ月ぶりくらいの自炊かもしれなかった。
偉業を成し遂げた。

雨が降っていると外出する気が失せる。
もともと出不精で、今日も19時くらいまで部屋に閉じこもっていた。
そのまま寝転がって一日を終えるところだった。危ない。
やるべきことは山のようにあるのに、部屋にいると思考が停止する。
ノートPCを開くことすら出来ない。
そんな私がいま近所のカフェにやって来た。
降りしきる雨の中だ。
自分を誉めてあげたい。


これから台本に取りかかる。
写真は出演者の桑山こたろう君。
おとといゴールデン街にて。


2014年6月4日水曜日

生まれて初めて取材をする側に

脚本を書くための下調べとして、取材というものをしてみた。
される側ではなくする側になるのは初めてのことで、とても緊張。

質問事項をまとめ、録音とメモの準備もして、電車とバスを乗り継ぎ、とある印刷屋さんへ。
非常に気さくな方だったので安心した。
仕事の内容からプライベートな事柄までたくさんお話してくださった。
戦前まで話がさかのぼっちゃうんだから凄い。めまいがした。
その方曰く「損してでも人の面倒はみた方がいい」と。
人望が厚くバイタリティー溢れる方で、エネルギーをもらえた。
人の半生を聞くのは楽しい。いろんな人生模様がある。

そして、稽古2日目。
初日の賑やかさとは打って変わって、安藤真理と井神沙恵の二人だけでしっぽりと。
この二人には姉妹・サツキとカエデを演じてもらう予定。
名前にジブリ感が漂ってるが、特に意識していない。
トトロも出てこない。
品川の区の花・区の木が皐月と楓であることに由来している。


2014年6月2日月曜日

初稽古。ど緊張の俳優たち。

昨日は待ちに待った顔合わせ。
軽いワークショップ形式の稽古も行なった。
最初、俳優たちが何故かオーディション並みにガチガチに緊張しており大変驚いた。
威圧感を与えてしまったらしい。そんなつもりは全くなかった。
こんなヘナチョコ演出家だし。
猛獣たちを上手に扱おうと意気込み過ぎたのかもしれない。
緊張感のある稽古場にはしたいけど萎縮してしまうのはよろしくない。
でも人間が緊張している姿というのは何だか愛らしい。

後半は『色は匂へど、』初演版と新版の一部をいろいろな配役で読み合わせた。
意外な演技をしてくれる人もいて面白い。
想像を掻き立てられた。

ところで私は、
自分が書いた文章を他人が台詞として吐く。
という事態に未だに慣れていない。
特にそれが思いの丈を打ち明けちゃうような内容だと、
恥ずかしくてギャグにしてしまいたくなる。
そしてそれは良いことなのか、悪いことなのか、まだうまく判断できない。


稽古後は飲み会。
さすが私が集めたメンバーだけあって、全員飲み会大好き。
3軒目は珍しくカラオケ。
みなさま歌が上手い。そして選曲が個性的。
私は主にマラカス振ってた。



2014年5月31日土曜日

明日は顔合わせ

今日は、 宮崎晋太朗/善積元による『ベーコンエッグ感想戦』@清澄白河SNACにゲスト出演。写真は桜井圭介氏を迎えてのアフタートーク。ギリシャ悲劇「オイディプス」「アンティゴネ」をベースにしたパフォーマンスを上演しました。無事に終わりました。

舞台上でビールを飲むのは、人生で二回目。本番中に酔っ払ってしまうので、これからは控えよう。

明日からいよいよ『色は匂へど、』の稽古が始まる。


2014年5月30日金曜日

少しイライラしている

ゆうべ、地震と思って何度か目が覚めたけど、どれも気のせいだった。寝汗が酷かった。

お昼頃、電車で隣に座った女の子が水着並みに露出度の高い格好だったので思わず凝視した。大胆に両脚を広げ、しきりに鼻の下をタオルで拭っている。顔面を覆う濃い産毛が汗できらきら光っていた。停車して彼女が立ち上がると、どっしりしたお尻が若干はみ出ている。彼女が履いているのはペチパンというショートパンツ。ほとんど下着と言っていい部類の、レースが施されたやつだ。

いま、人差し指の関節部分が蚊に刺され随分と派手に腫れ上がっている。指を折り曲げると少し痛い。無意味にひたすら爪でバッテンを付けまくる。何だか今日はイライラする。

台本は一向に進まない。

2014年5月29日木曜日

クソだのクズだの

そういえば先日、「クソッタレの国」だの「最低な国民」だの、このセリフ誰に言わせるんだろう、言う人ほんと可哀想とか無責任に思いつつもうめっためたに書き殴っていたら、百田尚樹が「人間のクズ」に続く「くそ貧乏長屋で、泥棒も入らない」という新たな名言を発し、なんだかタイムリーだった。
同時にすぐさま正気に戻り勢いで書き殴ったテキストはボツにした。品位に欠けるとか不快感を与えるという理由ももちろんあるけど、面白くないというのが一番の理由。

2014年5月27日火曜日

時間が足りない

一日があっという間に過ぎる。
あっという間に過ぎ過ぎるから困っている。
いろいろと考え事をしていると5分くらいのつもりが
30分くらいは余裕で過ぎていたりする。

電車は乗り過ごすし、バイトも稽古も遅刻する。
メール返信しなくちゃなあ、とか思っているうちに一週間くらい経っている。
それただだらしない性格なだけだよ、という突っ込みは今は無視したい。

そうやってずっと考え事しているわりには、台本は全く進まない。
パソコンを開いても一文字も打たず、気づくと2時間くらい経っていたりする。
時間の経過に気づくと震え上がる。
浦島太郎みたいに一生が一瞬で過ぎていく気がする。

今月はやたらめったら予定を詰め込みすぎたのかもしれない。
性に合わないからもうそういうことはしたくない。

2014年5月26日月曜日

三日坊主

ブログを毎日更新と宣言しましたが、4日目の昨日、早々に怠りました。三日坊主。
言い訳すると、今回の出演者である髙橋優太さんの劇団、演劇実験室◉万有引力の『リア王』打ち上げにお邪魔していたため更新するタイミングがなかったのです。
でもまあ、別にこんなブログ誰も待ってないんだから言い訳する必要もないのだけど。

打ち上げ参加の前に、出演者の森永理科さん若松真夢さんとカフェをハシゴし、5時間くらいのミーティングと称した井戸端会議を繰り広げました。女子らしいです。なんだか一週間分くらい喋った気がします。

2014年5月24日土曜日

山手線の始発駅

ブログ三日目。
台本進まず。

図書館に行き、五反田・大崎・戸越を散歩。
「大崎一番太郎」というマスコットキャラクターを発見。
山手線の始発駅というだけでこんなにも強気。

とても参考になりそうな小説をこれから読みます。期待。

2014年5月23日金曜日

美しい南を見る。

昨日、調子に乗って毎日更新すると宣言してしまったので書きます。

でも今ファミレスにこもり台本を書いているところで、正直ブログなんか書いてる場合じゃありません。別にこんなブログ誰が待っているわけでもないので、書きたくなければ書かなきゃいいのですが、なんかもうただの意地みたいな感じで書いていこうと思います。

古典落語『品川心中』は遊郭が舞台のお話。江戸時代の遊郭と言えば吉原が有名ですが、東海道五十三次・1番目の宿場町であった品川も負けず劣らず賑わっていたようです。それは「北の吉原、南の品川」と称されたほど。なんでも、吉原ほど格式ばっておらず風光明媚なうえ、江戸市中から離れる気楽さもあったとか。
先日、江戸東京博物館にて行われた大浮世絵展で、鳥居清長『美南見十二候』という作品を見つけました。「美しい南を見る」と書いて「みなみ」と読みますが、これは南の遊所つまり品川を意味します。海に面した眺めの良い開放的な土地で、遊女たちがのびのびと、暢気に暮らしているように見えます。
この作品も、そんな暢気で明るいものになるといいです。

なんかキレイにまとまったところで、台本書きに戻ります。

2014年5月22日木曜日

ブログ始めます

初めての投稿。

このブログって何を書けばいいんでしょうか。日記みたいなことでいいのでしょうか。これは一体誰に向けての質問なのか、そしてこのブログを一体どなたが読んでくれるのか、全く分かりませんが、とりあえず公演にまつわるあれやこれやを書いていきたいと思います。

『色は匂へど、』はいよいよ10日後に顔合わせです。台本を完成させてくると大口叩いたのですが、現時点で1ミリたりとも書けていません。大問題ですがあまり心配していません。その危機感のなさが問題なんでしょうね。明日から書きます。

この作品は古典落語『品川心中』をベースにしていますが、物語はだいぶ逸れたものになります。『品川心中』をやるに当たってどうしても映画『幕末太陽傳』を意識してしまいますが、そこからも掛け離れたいと思っています。
掛け離れる術として、現代の零細印刷所を営む姉妹・サツキとカエデの物語を絡ませることにしました。この部分はオリジナルになります。何と言っても今1ミリたりとも書けていないので、全部なしになる可能性もあります。明日、考えます。

台本書けてないという、しかも明日やるとか言ってるだけの、しょうもない現状と性格を早々に暴露しただけの初投稿でしたが、出来る限り、出来れば毎日、更新していこうと思います。どうぞよろしくお願いします。